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ボードゲーム Art Society アートソサエティ

『アートソサエティ』レビュー|2〜4人・30〜60分、名画を競る面白さと輸入版の注意

『Art Society(アートソサエティ)』は、競りで落とした名画を自分の応接間の壁に並べ、流行を読みながら価値の高いコレクションを仕上げる2〜4人用のボードゲームです。出版社は Mighty Boards、デザイナーは Mitch Wallace で、2023年に出ました。対象年齢は10歳以上、1回30分から60分ほどです。

競りのゲームと聞くと、お金を数えて値を吊り上げる場面を思い浮かべるかもしれません。このゲームで競るのは値段ではなく、絵を選ぶ順番です。手元の1から20のカードを1枚伏せて出し、大きい数を出した人から絵を取る。しかも取り残された1枚が、同じ種類の絵の値打ちを押し上げていきます。

ルールを短く説明して、すぐ遊び始めたい3〜4人の卓にはよく合います。今回読んだ海外レビューは、どれもルールの簡単さを長所に挙げていました。一方で2人で遊ぶことが多いなら、後の「気になる点」を読んでから決めたほうがいいでしょう。

ボードゲーム Art Society アートソサエティ

Art Society の基本情報

ゲーム名 Art Society(アートソサエティ)
人数 2〜4人
時間 30分から60分
対象年齢 10歳以上
デザイナー Mitch Wallace
アートワーク Veronica Grassi、Max Kosek
出版社 Mighty Boards(2023年)
主な内容物 絵画タイル116枚、装飾品タイル108枚、プレイヤーボード4枚、各色20枚のビッドカード
言語依存 低め。入札は数字のカード、絵画は色のアイコンと額縁の柄で区別する。ルールブックは英語
日本語版 あり(リゴレ、2025年7月18日発売)

Mitch Wallace にとってはこれが初めてのデザイン作品で、Nerdly のレビューは「complete novice designer」と紹介しています。出版社のページには、BoardGameGeek の Light Game of the Year 2023 へのノミネートと、Rambling Awards 2023 の Best Light Game と Best Artwork の受賞が並んでいます。

Art Society のルールと遊び方

準備

各プレイヤーは壁を表すボードと、自分の色のビッドカード20枚を受け取ります。最初の絵を1枚、ボードに描かれた2つの星のどちらかに重ねて置けば準備は終わりです。箱の中は絵のサイズごとに仕切られていて、そのまま供給口として使えます。BoardGameShots のレビューは、準備も片付けも1分ほどで済むと書いていました。

競売人が絵を並べる

ラウンドごとに、木槌を持った競売人が人数より1枚多い絵を裏向きのまま選びます。選べるのはサイズだけで、絵の種類と額縁の柄はめくるまで分かりません。4人なら5枚が場に並びます。

入札と獲得

全員が1から20のカードを1枚伏せて出し、同時に公開します。数の大きい人から順に、場の絵を1枚ずつ取ります。同じ数が並んだら、前の入札で大きいカードを出していた人が先です。一度使ったカードは手元に戻らないので、20をいつ切るかがそのまま勝負どころになります。

壁に掛ける

取った絵は、すでに置いた絵と辺で接するように壁へ置きます。回転はできません。同じ額縁の絵と隣り合わせると、隙間を埋める装飾品タイルがもらえます。反対に、同じ種類の絵を隣に置くと「フォーパ(無作法)」となり、その絵は最後に得点になりません。額縁はそろえ、種類は離す。置き場に困った絵は、1枚だけアシスタントに預けて後のラウンドへ回せます。

ボードゲーム Art Society アートソサエティの内容物

余った1枚が流行を作る

誰にも取られなかった1枚は美術館へ行き、その絵の種類(シティライフ、ポートレート、静物画、風景画)の名声マーカーが、絵に書かれた値だけ進みます。最後に絵を選ぶ人は、残す1枚を決められる立場でもあります。

終了と得点

誰かの壁が埋まる、誰かの置けない絵が2枚たまる、全員がビッドカードを使い切る。いずれかが起きたラウンドで終わります。Opinionated Gamers の Dale Yu さんのまとめでは、名声の高い種類から順に絵1枚あたり5点、4点、3点、2点。これに装飾品の盾の数、ボードの「アイライン」の帯に置いた最上位の種類の絵のボーナス、壁を埋めた5点を足し、覆わなかった角と置けなかった絵を1つ2点ずつ引きます。

Art Society の面白さと評価

一つめは、欲しい絵と、育てたい絵がぶつかることです。Nerdly の Matthew Smail さんは、赤い絵を5枚持っているなら、もう1枚取るべきか、あえて残して赤の名声を押し上げるべきかで迷うと書き、これをこのゲームのいちばん良いところに挙げています。Dale Yu さんは、最初のゲームではこの仕組みに気付かず、あとから「1」を出してわざと最後に選ぶ手が終盤の順位を大きく動かすと分かった、と振り返っていました。

二つめは、パズルとしての置き方の悩みです。Board Game Quest のレビューは、額縁はそろえたいのに種類はそろえたくないという逆向きの条件が、タイル配置を面白くしていると評価し、4つ星を付けました。不要な絵を押し付けられてもアシスタントに預けて後で使える点も、同じレビューが良い仕組みとして挙げています。

三つめは見た目です。ゴッホやダ・ヴィンチのような有名な絵が、遊び心のあるイラストに描き直されています。Dale Yu さんは116枚のうち半分ほどに見覚えがあったと書き、Boar Gamer は長所に「Fantastic artwork」を挙げて8点を付けました。国内の紹介サイト bodoge.hoobby.net の紹介文も、いちばんのおすすめに絵のおしゃれさを挙げています。

気になる点と、合わない人の条件

いちばん多い指摘は2人プレイです。Board Game Quest は、多くの競りゲームと同じく2人では盛り上がりに欠け、3〜4人で本領を発揮すると書きました。自分の前に選ぶ相手が1人しかいないので欲しい絵が手に入りやすく、終盤は相手の壁に入らない絵をわざと残す意地悪も2人だと簡単になる、という理由です。Boar Gamer も短所として「3人以上のほうが面白い」を挙げています。

競りの運び方にも癖があります。Dale Yu さんのグループでは、競売人が欲しい形の絵を同じ形ばかり4枚並べる流れが定着し、ルール上は問題ないものの少し脆いと感じたそうです。大きい絵ばかり出されると壁が一気に埋まるので、所要時間の幅も大きくなります。BoardGameShots は、終盤に特定の額縁が出るかどうかで運が効くと書きました(同時に、経験上は良い戦略が勝っていたとも添えています)。

ものとしての不満もあります。ボードにはタイルのずれを防ぐ小さな突起があるものの、Board Game Quest はもう少し高さが要ると書きました。Dale Yu さんは、箱を立てて収納すると中のタイルがこぼれるので寝かせて置く必要があると、自分の失敗を添えて書いています。

Art Society がおすすめの人

向くのは、ルール説明に時間を掛けずに、読み合いのある競りを3〜4人で遊びたい卓です。Nerdly は中量級の軽いほうが好きな人に勧めており、長考しがちな人がいても1手が1〜2分に伸びる程度だとしています。絵画や美術館が好きな家族や友人と囲むゲームを探している場合にも、見た目の点で候補に入ります。

タイルを並べて盤面を組む楽しさが好きなら、当店のレビュー記事で紹介したFit to Printもタイル配置のパズルです。Art Society は、そこに競りと流行の変動が加わる点が違います。

輸入版で遊ぶときの注意

当店の商品は Mighty Boards の英語版です。遊んでいる最中に読む文章は多くありません。入札は数字のカードで、絵の種類は色のアイコン、組み合わせは額縁の柄で見分けるので、ルールさえ分かれば卓上で英語を読む場面は限られます。ルールブックは英語ですが、出版社のページで PDF が配布されています。

日本語版は、リゴレから2025年7月18日に発売されています。日本語のルールで遊びたい場合はそちらも選択肢になります。

よくある質問

何人で遊べますか

出版社の仕様では2〜4人です。海外のレビューでは、2人でも遊べるものの3〜4人のほうが競りが盛り上がるという意見が複数ありました。

1回どのくらい時間が掛かりますか

30分から60分が目安です。BoardGameShots の3人プレイでは45分ほど、Nerdly は慣れた人どうしで1時間ほどと書いています。

英語が読めなくても遊べますか

卓上で読む文章は少なく、入札は数字、絵の区別は色のアイコンと額縁の柄です。ルールブックは英語なので、最初にルールを理解する人は英語を読む必要があります。

日本語版はありますか

リゴレから日本語版が2025年7月18日に発売されています。当店が扱っているのは Mighty Boards の英語版です。

商品情報

価格は 8,220 円です(通常価格 8,900 円)。Mighty Boards の英語版で、欧米正規店から仕入れた新品未開封の並行輸入正規品です。

Art Society(アートソサエティ)の商品ページ

通販ページで商品を確認する

参考情報

  • Mighty Boards の商品ページ: https://mighty-boards.com/3-art-society.html
  • Board Game Quest のレビュー: https://www.boardgamequest.com/art-society-review/
  • Boar Gamer のレビュー(Aleksandra Vasic): https://boargamer.com/reviews/art-society-board-game-review/
  • Opinionated Gamers のレビュー(Dale Yu): https://opinionatedgamers.com/2023/11/16/dale-yu-review-of-art-society/
  • BoardGameShots のレビュー: https://boardgameshots.com/2024/04/11/art-society-board-game-review/
  • Nerdly のレビュー(Matthew Smail): https://www.nerdly.co.uk/2024/12/12/art-society-board-game-review/
  • bodoge.hoobby.net の紹介ページ: https://bodoge.hoobby.net/games/art-society
  • sassalog.com の紹介記事(日本語版の情報): https://sassalog.com/art-society/

出典の間で食い違いがありました。出版社のページは人数を2〜4人、対象年齢を10歳以上としており、本記事はこれに従っています。当店の商品ページには「1人から4人(ソロモード搭載)」「14歳以上」と書かれていますが、今回確認した出版社のページとレビューではソロモードの記載を確認できませんでした。時間は出版社のページが「60'/player」、レビューと国内の紹介サイトが30分から60分です。sassalog.com の紹介記事はデザイナーを別の人物としていますが、出版社と他のレビューに合わせて Mitch Wallace としました。

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