『ピット・デラックス(Deluxe Pit)』は、米国の Winning Moves 社が発売している3〜8人用の取引カードゲームです。手番はありません。ベルの合図で全員がいっせいに「2枚!」「3枚!」と叫び、同じ枚数を叫んでいる人とカードを交換して、1種類の商品を9枚そろえた人がベルを鳴らします。
原型の『ピット』は1904年にパーカー・ブラザーズ社から発売された歴史あるゲームで、国内のレビューサイトでは、基本的なルールは今も変わっていないと紹介されています。デラックス版は、標準版と同じ遊び方に銀色のベルが付いたセットです。
当店の結論として、4人以上が集まる家族や友人の集まりで、ルール説明がすぐに終わり、全員で盛り上がれるゲームを探している人に向いています。反対に、声を出せない場所や、じっくり考える時間がほしいグループには合いません。にぎやかさそのものが、このゲームの面白さだからです。
ピット・デラックスの基本情報
| ゲーム名 | Deluxe Pit(ピット・デラックス) |
|---|---|
| 人数 | 3〜8人(4人以上がおすすめ) |
| 時間 | 約30分(販売店の表記には30〜90分とするものもある) |
| 対象年齢 | 7歳以上 |
| 出版社 | Winning Moves |
| 内容物 | カード74枚、銀色のベル、ルール説明書 |
| 言語 | 英語版(日本語の説明書は付きません) |
カードの内訳は、オレンジ、大豆、オート麦、砂糖きび、トウモロコシ、コーヒー豆、大麦、小麦の8種類の商品カードが各9枚と、ブル(雄牛)とベア(熊)の特殊カードです。商品カードには50〜100の点数が書かれていて、いちばん高いのは小麦の100点です。
ピット・デラックスのルールと遊び方
準備
使う商品の種類は、遊ぶ人数と同じ数にします。4人なら4種類、6人なら6種類です。選んだ商品カードをよく切って9枚ずつ配り、テーブルの中央にベルを置きます。親(スタートプレイヤー)を1人決めたら準備完了です。
取引は枚数だけを叫ぶ
親がベルを鳴らすと取引が始まります。各自、集めるつもりのない商品から1種類を選び、同じ商品のカードを1〜4枚、裏向きに出して枚数を叫びます。たとえばオレンジを2枚手放したいなら「2枚!」と叫びます。同じく「2枚!」と叫んでいる人を見つけたら、その人と裏向きのままカードを交換します。
口にしてよいのは枚数だけで、何の商品カードかは明かせません。交換で手に入ったカードが欲しい商品とは限らないため、手札を見ては次の枚数を叫ぶ、というやり取りを繰り返します。手番の順番はなく、全員が同時に動きます。
9枚そろえてベルを鳴らす
1種類の商品カードを9枚すべて集めた人が、ベルを鳴らしてその回を終わらせます。集めた商品の点数がその人の得点になり、ベルの合図で次の回が始まります。商品ページの説明では、先に500点に達した人がゲーム全体の勝者です。国内の紹介記事では300点などのゴールを最初に決める遊び方も紹介されているため、短時間で遊びたいときは目標点を下げてもかまいません。
ブルとベアのカード
ブルとベアは、相場の強気と弱気を表す特殊カードです。どちらも他の商品カードに混ぜて交換に出せますし、この2枚だけで「2枚!」、あるいは1枚だけで「1枚!」と叫んで交換に出すこともできます。
- ブル:そろえたい商品の最後の1枚の代わりに使えます(商品8枚とブルでベルを鳴らせます)。商品9枚とブルを両方持ってベルを鳴らすと得点が2倍になります。ただし、他の人に上がられた時点で手元にあると20点マイナスになります。
- ベア:使い道はなく、回の終了時に持っていると20点マイナスになります。ブルも持っていれば合わせて40点のマイナスです。
ブルは持ち続けていれば得点が倍になる一方で、上がれそうにないなら早めに手放す見極めが必要です。ベアはとにかく早く誰かに渡したいカードですが、どの「1枚!」にベアが混ざっているかは交換するまで分かりません。
ピット・デラックスの面白さと評価
手番待ちがなく、全員がずっと動いている
国内のボードゲームレビューサイト「ボドゲーマ」には22件のレビューがあり、その多くが「とにかく盛り上がる」「知っている中で最もうるさいゲーム」と、にぎやかさを評価しています。始まった瞬間から全員が「1枚!」「3枚!3枚とかいない?」と声を掛け合うため、順番を待つ暇がありません。このゲームの醍醐味は大人数でのプレイにある、と書かれた投稿もあります。
枚数しか言えないから読み合いが生まれる
ボードゲーム紹介サイト BOARD の記事では、枚数が一致した相手としか交換できない点に駆け引きの面白さがあるとしています。たとえば小麦(100点)を狙う人が複数いると、お互いに小麦を抱え込んでしまって場に出回らず、誰も小麦をそろえられません。周りのプレイヤーが何を集めているかを推測しながら交換を進めることが勝ちにつながる、と同記事では分析されています。YouTube の紹介動画でも「押すか引くかの駆け引きが面白い」と紹介されています。
説明が短く、子どもも初心者も入れる
ボドゲーマのレビューには、小学生でも分かるほどルールが簡単で説明に時間がかからないため、ゲーム会のアイスブレイクにぴったりだという声があります。商品ページの説明でも、7歳の子どもにも教えられるとされています。最後の1枚がそろわない、交換に出したカードが何度も手元に戻ってくるといった場面が、そのまま笑いにつながるという感想も複数見られます。
気になる点
いちばん注意したいのは音量です。ボドゲーマのレビューには「防音ルームで遊ぼうね」「家で夜はプレイできない」といった声が並び、ゲームに参加していない人が周りにいるとうるさく感じるはずだという指摘もあります。ある投稿者は、仲間内では声を出す代わりに指で数字を示すハウスルールで遊んでいると紹介しています。
評価が分かれる点もあります。カタンを80点とした基準で71点を付けたレビューでは、わいわい騒げる楽しさを認めつつも、もう一工夫ほしいと書かれています。ベルが付いたデラックス版については、便利なのか邪魔なのか判断が難しく、通常版(ノーマル版)で十分だという意見もありました。一方で「チーンが入っているボドゲにハズレなし」とベルを推す声もあり、ここは好みが分かれるところです。
ピット・デラックスが向く人
4人以上で集まる機会があり、勝ち負けよりも場の盛り上がりを重視したい人に向いています。最大8人まで遊べますが、ボドゲーマには10人ほどで遊んだという投稿もあります。子どもと遊ぶときは手札の枚数を減らして調整すると遊びやすい、という声もありました。
大人数で遊べるパーティーゲームとして、当店では『スパイフォール2』や、4人同時に遊べる『KLASK 4』のレビューも掲載しています。ピットはこの2作と違って推理も手先の器用さも必要なく、叫んで交換するだけで気軽に遊べます。
輸入版で遊ぶときの注意
当店の商品は英語版で、日本語の説明書は付きません。BOARD の記事の解説によると、カードには商品ごとに点数の数字が書かれており、プレイ中に確認するのは主に商品の種類と点数です。取引の掛け声も、日本語で「2枚!」と叫べば通じます。
ルールで迷いやすいのは、ブルとベアの扱いと目標点の設定です。この記事の「ルールと遊び方」の項目に要点をまとめていますので、初めて遊ぶときはそこを見ながらプレイできます。BOARD の紹介記事にもルールの詳しい説明があり、YouTube の紹介動画では上級ルールについても触れられています。
よくある質問
何人で遊べますか?
3〜8人です。商品ページでは4人以上で遊ぶのがおすすめとされています。人数と同じ種類数の商品カードを使います。
1ゲームにかかる時間は?
商品ページや国内の紹介記事では約30分とされています。販売店の表記には30〜90分としているものもあり、目標点の設定によってプレイ時間が変わります。
英語が読めなくても遊べますか?
プレイ中に確認するのは主に商品の種類と点数なので、英語が苦手でも遊べます。日本語の説明書は付きませんが、ルールはこの記事の「ルールと遊び方」で確認できます。
何歳から遊べますか?
対象年齢は7歳以上です。レビューサイトには、子どもと遊ぶときは手札の枚数を減らして調整すると遊びやすいという声があります。
商品情報
価格は 4,744 円です。新品未開封の並行輸入品で、英語版(日本語説明書なし)です。
ピット・デラックスの商品ページ
通販ページで商品を確認する参考情報
- BOARD「ピットデラックス(Pit DELUXE)~勝利のベルをならすのは誰だ!?~」: https://article.board.fan/game/pit_deluxe/intro
- ボドゲーマ「ピット / デラックスピット」のレビュー: https://bodoge.hoobby.net/games/pit/reviews
- きまぐれボードゲーマーだまちゃんねる「【ピット(DX)】ボードゲーム紹介45」(YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=U_MuSkMyha0
出典によって数値の表記が異なります。プレイ時間は商品ページや BOARD では約30分、海外の販売店での表記は30〜90分です。目標点は商品ページとボドゲーマのレビューが500点、BOARD では300点を例に挙げています。発売年は BOARD やボドゲーマのレビューでは1904年とされていますが、海外の販売店の解説によると1903年の初版があり、ブルとベアのカードは1904年版から加わったとされています。