ドミニオン:ルネサンス拡張版レビュー|新要素満載の黄金時代をゲームで体験
ドミニオンシリーズ12番目の拡張版「ルネサンス」の魅力を徹底解説。
コファー・ビレジャー・プロジェクト・アーティファクトの新要素で、初心者から上級者まで楽しめる黄金時代のデッキ構築体験をご紹介します。
ゲームの基本情報
ドミニオンシリーズの12番目の拡張版として、革新的な要素を4つ導入した注目作です。
ドミニオン:ルネサンス(Dominion: Renaissance)は、2018年に発売されたドミニオンシリーズの12番目の拡張版です。
- プレイ人数:2-4人
- プレイ時間:30分未満
- 対象年齢:13歳以上
- カード枚数:300枚
- 新王国カード:25種類
この拡張版では、コファー(金銭の貯蔵)、ビレジャー(アクションの貯蔵)、プロジェクト、アーティファクトという4つの革新的な要素が導入されています。
特に注目すべきは、これらの新要素によってプレイヤーが「悪い手札」に対処しやすくなることです。 ゲームをより効率的で予測可能にする仕組みが提供されています。
ゲームの核となるメカニクスは、従来のドミニオンのデッキ構築システムを基盤としています。 貯蔵可能な資源(コファーとビレジャー)の概念を導入することで、より戦略的な計画性を求められるゲームに進化しています。
ドミニオン:ルネサンスの魅力
貯蔵システム、プロジェクト、アーティファクトが織りなす新たなドミニオン体験の核心をご紹介します。
革新的な貯蔵システムの導入
ルネサンス最大の魅力は、コファー(金銭)とビレジャー(アクション)を貯蔵できるシステムです。
UltraBoardGamesによると、「コファーはプレイヤーのマットにトークンとして配置され、購入フェーズで金銭として使用できる」仕組みとなっています。
一方、ビレジャーは「アクションフェーズで追加のアクションとして使用可能」です。 これにより従来のドミニオンの制約から解放された柔軟なプレイが可能になります。
Beth Martin Booksのレビュアーは、「このセットでは、プレイヤーが1ターンに実行できるアクション数に関する楽しい変更がある」と評価しています。
「通常、各プレイヤーは1ターンにつき1アクションしか得られないが、このセットではほとんどのアクションカードが追加アクションを提供しない代わりに、将来使用するための『ビレジャー』を蓄積できる」と説明しています。
プロジェクトによる永続的な恩恵
プロジェクトシステムは、プレイヤーに購入フェーズで能力を購入する選択肢を提供します。
Dominion Strategy Wikiによると、「プロジェクトは購入可能な能力で、購入時にキューブを配置することで、残りのゲーム中その能力を使用できる」仕組みです。
例えば、「フェア」プロジェクトを購入すると、以降のすべてのターンで+1購入を得られます。
ドイツのレビューサイトReich der Spieleでは、以下のように分析されています:
「プロジェクトは競争圧力を生み出さない。なぜなら、誰でも一度購入できるからだ。 通常、ゲーム開始時に最も有益で、挑戦は十分早期に資金を集めることであり、戦術的決定はプロジェクトを他の高価なカードと比較検討することである」
アーティファクトによるインタラクション要素
アーティファクトは、プレイヤー間の相互作用を促進する新要素です。
「アーティファクトカードは、特定の王国カードによって何らかの方法で取得できる能力」(UltraBoardGames)で、「他のプレイヤーがそれを持っている場合、あなたがそれを取る際は彼らから奪うことになる」仕組みです。
この要素について、Brettspielpoesieのレビューでは以下のように評価されています:
「アーティファクトはドミニオンゲームにインタラクションをもたらす。 なぜなら、プレイヤーが互いに奪い合うことができるからだ。 通常、これらの明確な利点を敵に長時間委ねるべきではない」
初心者から上級者まで対応する設計
BoardGameGeekのコミュニティ情報によると、「ルネサンスは初心者と上級者の両方に適している点が評価されている」とされています。
Beth Martin Booksのレビュアーも、「このセットのカードは十分に分かりやすく、新しいプレイヤーにドミニオンを紹介するためにこのセットを使用することに抵抗がない」と述べています。
「シーズンプレイヤーも魅力的と感じる古いカードの遊び方もある」と評価しています。
気になる点と対策
新要素の複雑さと学習コストについて、実際のプレイ感想と解決策をご紹介します。
複雑さの増加
Brettspielpoesieのレビューでは、「異なるアーティファクトとプロジェクトがある一部のゲームでは、自分のターンで注意すべきことが多すぎると感じた」との指摘があります。
また、同レビューでは「多くのカード効果がカードを廃棄する機能を提供しており、この機能を効果的に使用することは学習が必要」とも述べられています。
対策: 初心者には段階的な導入がおすすめです。
最初は1つのプロジェクトとシンプルなアーティファクトから始めてください。 慣れてから複数の要素を組み合わせることで、ゲームの複雑さを段階的に楽しむことができます。
Reich der Spieleでは「初心者には多少困難になるが、経験豊富なプレイヤーはルネサンスの可能性をうまく活用できる」と評価されています。
バランス調整の必要性
BoardGameGeekの情報によると、「ルネサンスはエンパイア、ダークエイジ、シーサイドと比較すると、ゲームに与えるインパクトは控えめとの意見が多い」との評価があります。
対策: この点は必ずしも欠点ではありません。
「エンパイアやダークエイジのような『必須』レベルの拡張版ではなく、『あると嬉しい』レベルの位置づけ」(BoardGameGeek)とされています。 安定したゲーム体験を求める場合には適切なバランスと言えるでしょう。
こんな人・シーンにおすすめ
ドミニオン:ルネサンスが最も輝く4つのプレイヤータイプとシチュエーションをご紹介します。
ドミニオン初心者・ファミリー層
Beth Martin Booksのレビューでは、「デッキ構築ゲームに馴染みがあるなら、実際にドミニオン:ルネサンスから始めることをお勧めする」と述べられています。
また、「一度もデッキ構築ゲームをプレイしたことがない人は、今すぐドミニオンを手に入れることをお勧めする」とも記載されており、新規参入者にとって魅力的な選択肢となっています。
BoardGameGeekのコミュニティ意見では、「新規プレイヤーの導入に適している点で概ね一致している」とされており、家族でのゲーム体験に最適です。
特に、「基本セット後にシーサイド+プロスペリティの組み合わせ、またはイントリグが推奨される傾向があるが、ルネサンスは初心者と上級者の両方に適している」との評価があります。
戦略的思考を重視するプレイヤー
Reich der Spieleのレビューでは、「コインとビレジャーの両方がドミニオンをより戦術的にし、カードドローによる運要素を軽減する」と評価されています。
「常にマットに十分なコインとビレジャーを持つことは、よく計画される必要がある」ため、戦略的計画を楽しむプレイヤーに特におすすめです。
既存ドミニオンファンの拡張を検討中の方
BoardGameGeekの情報によると、「ドミニオンを始めたばかりで1つだけ拡張版を選ぶ場合、またはギルドの代替として検討している場合には強く推奨される」とされています。
「ルネサンスを『ギルドの完全版』として位置づけ、これまでの拡張版の要素を洗練した形で統合していると評価」されており、コレクションの充実を図りたいファンには理想的です。
平日夜の短時間ゲームセッション
30分以内のプレイ時間という手軽さと、「プレイヤーが『悪い手札』に対処しやすくする仕組みを提供し、ゲームをより効率的で予測可能にする傾向がある」(BoardGameGeek)という特徴により、時間に制約のある平日夜のゲーム会にも最適です。
期待できる効果: Beth Martin Booksのレビュアーのように、「夫と平日夜にプレイしたり、新しい友人にお気に入りのゲームを紹介したり」といった、様々なシーンでゲームを楽しむことができるでしょう。
ドミニオン:ルネサンスは、革新性と安定性のバランスが取れた、よく設計された拡張版として多くのプレイヤーに愛されています。
新しい要素を楽しみながらも、ドミニオンの本質的な魅力を損なうことなく、より豊かなゲーム体験を提供してくれることでしょう。
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参照元・引用元
- Dominion Strategy Wiki - Renaissance
- UltraBoardGames - Dominion: Renaissance Rules
- UltraBoardGames - Renaissance Project Notes
- Beth Martin Books - Dominion Renaissance Review
- Rio Grande Games - Official Product Page
- Reich der Spiele - Dominion Renaissance Review
- Brettspielpoesie - Dominion Renaissance Review