GIPF(ギプフ)レビュー:1分で覚えて一生マスターに挑める抽象戦略ゲームの決定版
1997年発売以来、世界中のゲーマーを魅了し続ける抽象戦略ゲームの傑作GIPF。
簡単なルールながら奥深い戦略性を持つこのゲームの魅力を、実際のプレイヤーの声と共に徹底解剖します。
ゲームの基本情報
GIPFは、ベルギーのデザイナーKris Burmによって1997年にデザインされた2人用抽象戦略ゲームです。
プレイ人数2人、対象年齢9歳以上、プレイ時間30-60分となっており、GIPF Projectと呼ばれる一連の抽象ゲームシリーズの記念すべき第1作として位置づけられています。
ゲームの核となるメカニクスは極めてシンプルです。
1分以内に教えることができるのに、勝利するには慎重な研究が必要という特徴があります。
六角形のボードで、勝利するには相手の3つのGIPFピースをすべて取るか、相手が動けなくなるまで追い込むことが目標となります。
ボードには線のパターンが描かれており、これらの線の交点がスポットと呼ばれる配置場所になります。
エッジには24個のドットがあり、ここからピースをプレイエリアに押し込んでいきます。
基本版では各プレイヤーは15個のピースを持ち、スタンダード版では18個の基本ピースと3つのGIPFピース(2つの基本ピースを重ねたもの)でプレイします。
GIPFの魅力:シンプルながら驚異的な深さを持つ戦略性
チェスと同様に、ゲームには序盤、中盤、終盤があり、それぞれ全く異なるアプローチが必要です。
1. 「1分で覚えて一生マスター」の絶妙なバランス
"Minutes to learn, a lifetime to master"(1分で覚えて一生マスター)という格言通り、簡単に教えられるゲームほど対戦相手を多く得ることができ、より多くの対戦相手がいれば、今まで思いつかなかった戦略を取る未経験者にさえ完敗する可能性があるのです。
2. 独創的な「4列」システムによる戦略の革新
GIPFは通常の「列を作る」ゲームではありません。
ピースを取ることがメインテーマです。
4つの自分のピースが一列になったら、それらをボードから取り除き、自分のピースは手元に戻り、次のターンで再び使用可能になります。
相手のピースが列の端にあれば、それらも一緒に取り除かれ、相手から奪うことができます。
この仕組みにより、空間推理力の綱引きのようなゲームになり、「見落としたら即負け」というタイプのゲームとは一線を画します。
3. 全方位攻撃が可能な「プッシュメカニクス」の革新性
ボード上のすべての場所は、少なくとも2つの方向から押すことができます。
つまり「安全」な場所は存在しません。
ボードに自分の陣営というものは存在しません。
あらゆる方向から相手を攻撃する可能性を活用し、もちろん相手も同じことをしてくることを意識(そして警戒!)しましょう。
実際のプレイでは、相手のGIPFピースを狙った列を設定していても、相手がそれを1マス押すだけで、あなたが設定していた列から外すことができてしまいます。
さらに、相手があなたの列を完成させてしまった場合、突然あなたは相手のGIPFの近くにピースが1つもない状況になってしまうという戦略的な駆け引きが楽しめます。
4. 「流動性」がもたらす予測不可能な展開
1人のプレイヤーが複数のピースを動かし、ボード上の数多くの関係を変化させることが多いため、完全情報ゲームであるにもかかわらず、1手先以上のボード状態を予測することは非常に困難です。
プレイは非常に流動的で、長期的な領土開発や空間開発という概念は実質的に存在しません。
気になる点と対策
実際のプレイで気になる点を挙げ、それぞれの対策を解説します。
気になる点1:序盤のペース感の問題
インパクトのある手は通常、事前に数手の準備が必要で、相手の手に対する多段階の反応が求められます。
その結果、かなりの計画が必要となり、個々の手は素早くても、ゲーム全体の持続時間はしばしばだらだらと長く感じられるという指摘があります。
対策: 新しい戦略ゲームを学ぶとき、多くの可能性の中で迷うことがよくあります。
それに落胆しないでください。
自分に公平なチャンスを与えて、数ゲームプレイした後、あなたのプレイが急速に向上することに気づくでしょう。
経験を積むことで、ゲームのリズムに慣れていくことが重要です。
気になる点2:GIPFピースが危険な状況での保護の困難さ
時には、あなたのGIPFピースが危険で、ボードの中央に他のピースが隣接していない状況になることがあります。
そうなると、1ターンでそれを動かすことができず、保護する方法がなくなってしまいます。
対策: この問題は戦略的な読みの深さで解決できます。
プレイエリアのピースは、手持ちのピースよりも危険で効果的であるという概念からGIPFのプレイは始まります。
序盤からGIPFピースの安全性を常に考慮し、複数の逃げ道を確保することが重要です。
気になる点3:抽象ゲーム特有の敷居の高さ
GIPFがすべての人にアピールしないことは間違いなく、そうしようとする試みもありませんという特徴があります。
対策: 抽象ゲームは、普段ボードゲームをプレイしない人にも気軽にプレイしてもらいやすいゲームですという利点を活用し、まずは基本ルールから始めて、徐々にスタンダードルールに移行することで、無理なく楽しむことができます。
こんな人・シーンにおすすめ
GIPFが最も輝くプレイヤー層とシーンを具体的に紹介します。
推奨プレイヤー像
チェスや囲碁愛好者: チェスが好きならGIPFも好きになるでしょうという評価があり、深い戦略思考を楽しむプレイヤーには最適です。
ファミリーゲーマー: 9歳以上の子供と大人の双方に適しており、教えやすく設置も簡単でありながら、深くて戦術的という特徴があります。
抽象ゲーム初心者: 複雑すぎたり過度に精巧な説明を避け、基本的なルールセットにより、誰でも素早く基本戦略に慣れ親しむことができます。
最適なプレイシーン
集中できる静かな環境: 集中力を要し、勝つためには焦点と集中を必要とする緊張した一対一の戦いを楽しむゲーマーに大いにアピールします。
継続的なプレイセッション: "プレイを止めるのが困難です。購入してよかったです。止めるには楽しすぎます"という実際のプレイヤーの声があり、何度も繰り返しプレイしたくなる魅力があります。
期待できる効果
戦略的思考力の向上: GIPFのゲームに勝つとき、あなたは本当に賢く感じます。
負けるときは、最終的に、おそらくそれに値することを感じるという達成感が得られます。
長期的な楽しみ: "素晴らしく、深さと抽象的思考をDNAとして共有しています。学習しやすいルールでありながら、驚くべき無限の可能性があります"という評価の通り、長期間にわたって楽しめる価値のあるゲームです。
GIPFは単なるボードゲームではなく、19年経った今でも、我々の趣味において最も尊敬される抽象タイトルの一つとして評価されています。
"GIPFは純粋で挑戦的なゲームで、クラシックなシステムを全く新しい要素と組み合わせています。驚きに満ち、無限の可能性を提供し、偶然のプレイヤーにも熱狂的なゲーマーにもアピールします"という魅力を、ぜひあなた自身の手で体験してみてください。
日本全国送料無料。15時までのご注文は当日発送しております。
参照元・引用元
- GIPF Game Review – Meeple Mountain
- Gipf Review | Board Game Reviews by Josh
- GIPF (game) - Wikipedia
- Every GIPF Project Game Ranked – Reviews as Fair as a Die Roll
- GIPF Review | Board Games | Zatu Games
- GIPF (Game History and Review by Chris Wray) | The Opinionated Gamers
- GIPF Fan Site | UltraBoardGames
- GIPF | Board Game | BoardGameGeek