ゲームの基本情報
『Gloomhaven: Jaws of the Lion』は、複雑ながらも親しみやすい協力型ダンジョン探索ゲームです。
『Gloomhaven: Jaws of the Lion』は、デザイナー Isaac Childres氏、アーティスト Francesca Baerald氏、Cat Bock氏、David Bock氏、David Demaret氏、Alexandr Elichev氏、Jason D. Kingsley氏、Josh T. McDowell氏によって制作され、Cephalofair Gamesなどから出版されています。
プレイ人数は1〜4人、プレイ時間は30〜120分、対象年齢は14歳以上とされています。
発売年は2020年です。
ジャンルとしては、アドベンチャー、探索、ファンタジー、戦闘、ミニチュアを含む協力ゲームに分類されます。
特に、ボードゲーム情報サイトBoardGameGeekで長らく高評価を得ていた重量級ゲーム『Gloomhaven』の世界を舞台にした、スタンドアロンの作品です。
本作は『Gloomhaven』の前日譚にあたる出来事を描いており、既存のファンだけでなく、オリジナル版のサイズ、価格、複雑さに圧倒されて手が出せなかった層を主なターゲットとしています。
本作には、Valrath Red Guard(タンク、群衆制御)、Inox Hatchet(遠隔ダメージ)、Human Voidwarden(サポート、マインドコントロール)、Quatryl Demolitionist(近接ダメージ、障害物操作)の4人の新しいキャラクターが含まれており、これらのキャラクターはオリジナル版の『Gloomhaven』でも使用可能です。
また、16種類のモンスタータイプ(うち7種類は新規)、3体の新しいボスが登場し、25のシナリオで構成される新しいキャンペーンが収録されています。
このキャンペーンでは、プレイヤーは「ライオンの顎」と呼ばれる傭兵団の一員となり、街で発生している不可解な失踪事件の真相を追うことになります。
Gloomhaven: Jaws of the Lionの魅力
『Gloomhaven: Jaws of the Lion』は、オリジナル版から多くの点で改良され、特に新規プレイヤーにとって魅力的な特徴を複数備えています。
圧倒的な入門のしやすさ
本作の最大の特長は、初心者でも親しみやすい高いアクセシビリティです。
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段階的なチュートリアル: 特に最初の5つのシナリオは、ゲームの核となるメカニクスを段階的に学ぶためのチュートリアルとして機能します。
ストーリーと連動しながら少しずつ新しいルールが導入されるため、プレイヤーは遊びながら自然とルールを理解することができます。
この学習プロセスは非常に巧みに設計されていると多くのレビューで評価されています。
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分かりやすいルールブック: ゲームのプレイ方法を学ぶための専用ガイド「Learn to Play Guide」が付属しており、これに従うことでスムーズにゲームを開始できます。
詳細なルールは「Glossary」にまとめられており、参照しやすくなっています。
これらの工夫により、複雑なゲームシステムを持つ本作も、ボードゲーム初心者にとって非常にアクセスしやすい作品となっています。
コンパクトで手頃な価格
本作は、オリジナル版の大きさと価格を大幅に抑えつつ、豊富な内容を提供します。
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小型化と低価格: 箱のサイズがコンパクトになり、価格も抑えられています。
これにより、より多くの人が手に取りやすくなっています。
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革新的なシナリオブック: オリジナル版でセットアップに時間のかかっていたマップタイルを使用せず、シナリオが直接印刷されたリング綴じのブック上でプレイします。
これにより、シナリオごとのマップ準備が不要になり、セットアップ時間を5〜7分程度に短縮できると評されています。
これはゲーム体験を向上させる素晴らしいアイデアだと高く評価されています。
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価格に見合う豊富なコンポーネント: 低価格ながらも、4体のキャラクターミニチュア、100体以上のモンスターのスタンド、500枚以上のカード、150個以上のトークンなど、非常に豊富なコンポーネントが含まれており、価格以上の価値があると感じるプレイヤーが多いようです。
手頃な価格でありながら、長時間のプレイ(30〜50時間程度)を楽しめるボリュームがある点も魅力です。
深化されたゲームシステムと協力プレイ
本作は洗練された戦略的なシステムで、協力プレイの奥深さと面白さを実現しています。
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戦略的なカードシステム: 各プレイヤーはキャラクター固有のカードデッキを持ち、毎ターン2枚のカードを選んでプレイします。
カードの上半分と下半分には異なるアクションが書かれており、そのうち1枚のイニシアチブ値(行動順を決める数値)を使って行動順を決定します。
どのカードをいつ使うか、どの部分を使うかという選択が非常に重要で、パズルのような戦略性が楽しめます。
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予測不能性と協力: プレイヤーは自分の手札や選んだイニシアチブを他のプレイヤーに見せないため、他のプレイヤーやモンスターの行動を完全に予測することはできません。
これにより、計画が思い通りに進まないことも多く、その不確実性が「リーダー効果」(一人のプレイヤーが他のプレイヤーに指示を出してしまう現象)を抑制し、各プレイヤーが主体的に判断し、協力して問題を乗り越える面白さを生んでいます。
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リソース管理としての手札: 手札は単なるアクションの選択肢であるだけでなく、プレイヤーの「残り時間」を示す時計のような役割も果たします。
休息やダメージを受けることで手札からカードが失われていくため、限られたリソースをどのようにやりくりするかがシナリオ攻略の鍵となります。
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非対称なキャラクター: 4人のキャラクターはそれぞれ全く異なる能力と役割を持っており、チーム構成によって戦略が大きく変わります。
キャラクターの成長システムもあり、レベルアップによって新しいカードを獲得したり、能力を強化したりできます。
これらの要素が組み合わさることで、本作は「ダンジョンクローラーのボディにユーロゲームのエンジンを積んだ」ような、幅広いプレイヤーが楽しめるハイブリッドなゲーム体験を提供しています。
難易度とプレイヤーの成長のバランスも絶妙に調整されていると評価されています。
惜しい点・注意点
多くの魅力を備えている『Jaws of the Lion』ですが、購入前に知っておくべきいくつかの注意点があります。
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ルールの複雑さと曖昧さ: 入門しやすいように工夫されているとはいえ、ゲームのシステム自体はやはり複雑です。
特に用語の定義が他の用語を参照する形式になっていたり、モンスターのAI(フォーカス)のルールがオリジナル版から変更されたことで混乱を招きやすいという意見があります。
プレイ中にルールブックを見返したり、解釈を巡って議論になったりすることも少なくないようです。
→公式のFAQやオンラインリソース、非公式のファンサイトなどがルールの補完に役立ちます。
チュートリアルシナリオで基本をしっかり学ぶことも重要です。
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言語の壁(日本語版以外の場合): 物理版の英語オリジナル版の場合、特にシナリオや物語テキストの語彙レベルが高く、ファンタジー特有の馴染みのない単語が多い点が指摘されています。
ゲーム中のカードテキストは比較的シンプルですが、世界観や物語を十分に楽しむには一定の英語力が必要かもしれません。
→スマートフォンの翻訳アプリなどを活用すれば、物語テキストの理解を助けることができます。
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コンポーネントの懸念点: モンスターや状態異常などに使うトークンが少し小さいと感じるプレイヤーもいるかもしれません。
また、カード全てにスリーブを装着すると、付属のインサート(整理用のトレイ)に収納しきれなくなる可能性があります。
レガシー要素としてマップにステッカーを貼る要素がありますが、これは必須ではなく、Excelなどで管理することも可能です。
ステッカーを貼ることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、ゲームプレイには影響しません。
→トークンのサイズや収納方法はプレイスタイルによって感じ方が異なります。
ステッカーは代替手段があります。
こんな人におすすめ
『Gloomhaven: Jaws of the Lion』は、以下のような方々に特におすすめの一作です。
- 大作ボードゲーム『Gloomhaven』に興味はあったものの、そのサイズ、価格、複雑さに圧倒されて挑戦できなかった方。
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複雑なゲームシステムを段階的に学びたい方。
丁寧に設計されたチュートリアルがあなたを導いてくれます。
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協力型のダンジョンクローラーが好きだが、一人のプレイヤーが全てを指示するような「リーダー効果」が苦手な方。
手札を隠してプレイするシステムが、各プレイヤーの主体性を尊重します。
- 価格に対してプレイボリュームのあるゲームを探している方。
30時間以上楽しめるキャンペーンが収録されています。
- ボードゲーム初心者や普段あまりゲームをしない方(特に家族やパートナー)と一緒に、本格的な冒険を楽しみたい方。
手軽さと面白さが同居しています。
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戦略的なカードプレイとパズルのような戦闘を楽しみたい方。
『Jaws of the Lion』は、多くのプレイヤーにとって『Gloomhaven』の世界への素晴らしい入り口となるでしょう。
『Gloomhaven』の魅力を凝縮した本作で、あなたも冒険に旅立ちましょう。
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参照元・引用元
- Gloomhaven Jaws of the Lion (Game Review by Brandon Kempf) | The Opinionated Gamers
- Gloomhaven: Jaws of The Lion Review - Gideon's Gaming
- Gloomhaven: Jaws of the Lion (reseña)
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- Gloomhaven: Jaws of the Lion Review (Great Gloomhaven Lite?)
- Gloomhaven: Jaws of the Lion Review - Board Game Quest
- Gloomhaven: Jaws of the Lion Review - FauxHammer
- Gloomhaven: Jaws of the Lion review: “All the greatness, condensed” | GamesRadar+
- Gloomhaven: Jaws of the Lion | The Dice Tower
- Gloomhaven: Jaws of the Lion. An Unboxing, Solo Rules, and First Impressions – coopgestalt
- How is Gloomhaven Jaws of the Lion different from the original Gloomhaven cooperative game
- Jaws of the Lion Review – The Perfect Gloomhaven Gateway
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