『モダンアート(Modern Art)』は、ライナー・クニツィア(Reiner Knizia)が1992年に発表した競りゲームです。プレイヤーは美術館の運営者となり、絵画を競りにかけて売り、買い取った絵の値上がりで稼ぎます。当店で扱っているのは、2017年に CMON から発売された版です。
基本ルールはシンプルで、Modern Art の解説サイト My Board Game Guides は15分の説明で遊び始められたと紹介しています。その一方で、1枚の絵にいくら払うかの判断は最後まで難しいままです。英国のレビューサイト Shut Up & Sit Down は推薦マークを付けたうえで、頭の中で数字と利幅を計算するのが苦手な人には不快なゲームになりうると断りを入れています。
競りでの駆け引きや読み合いを、笑いながら楽しみたいグループに向いています。全員が毎回の競りに参加するため、自分の手番を待つ時間がほとんどありません。
モダンアートの基本情報
| ゲーム名 | Modern Art(モダンアート) |
|---|---|
| 人数 | 3〜5人(Shut Up & Sit Down の記載。当店の商品ページでは2〜5人と表記) |
| 時間 | 45〜60分 |
| デザイナー | Reiner Knizia(ライナー・クニツィア) |
| 出版社 | CMON(この版は2017年発売。原作の発表は1992年) |
| 内容物 | 実在する画家5人の絵画カード70枚、ボード、衝立、お金のトークンなど |
| 箱の大きさ | 約24.9×24.9×5.1cm |
| 言語依存 | 低め(英語版のため日本語の説明書は付きませんが、遊ぶときに確認するのは数字とカードの記号が中心) |
モダンアートのルールと遊び方
各プレイヤーは100(単位は百万ドル)の資金を受け取り、ほかの人から見えないよう衝立の裏に置きます。手札として絵画カードが配られます。ゲームは全部で4ラウンド行われ、最後にお金を一番多く持っている人が勝ちです。
手番では絵を1枚、競りにかける
手番の人は手札から絵を1枚出して競りにかけます。どの形式で競るかは、カードに描かれた記号で決まります。説明書では、出品するときにその絵について一言話すことが勧められています。
ほかの人が落札したときは、代金が出品者に入ります。出品者が自分で落札した場合は、代金を銀行に支払います。自分では絵を1枚も落札せず、ほかの人に絵を売り続けて勝つことも、理屈の上では可能です。
5種類の競り
- 公開競り:出品者も含めて、誰でも好きな順に値を言い合う形式です。
- 一巡競り:時計回りに1人1回だけ値を付けるか、パスを選びます。最後に値を付けられるのは出品者です。
- 秘密競り:全員がお金を手に握り、同時に公開します。同額の場合は、出品者から時計回りで一番近い人が落札します。
- 指値:出品者が値段を決め、時計回りの順に買うかどうかを確認します。誰も買わなければ、出品者がその値段で買い取ります。
- ダブル:もう1枚の絵を一緒に出し、2枚目の記号が示す形式で2枚まとめて競りにかけます。
どの形式でも、誰も値を付けなければ出品者がその絵を無料で手に入れます。
ラウンドの終わりと絵の値段
同じ画家の5枚目が競りに出された時点で、そのラウンドは終了します。その5枚目の絵は売れず、そのまま捨て札になります。ここで、そのラウンドに出品された枚数によって画家の順位が決まります。
1位から3位の画家の絵は、それぞれ30、20、10で銀行に売れます。前のラウンドまでに付いた値も上乗せされます。4位と5位の画家の絵は、それまでの値に関係なく0です。
モダンアートの面白さと評価
絵の値段は、競りが終わるまで決まらない
Shut Up & Sit Down は、この値付けの仕組みを分かりにくいと認めたうえで、だからこそゲームが成り立つと書いています。ラウンドの最初に同じ画家の絵が2枚続けて売れたとしましょう。その画家が1位になりそうに見えるはずです。1位なら30で売れるので、29で買えば1の得になります。
ところが、ほかのプレイヤーが別の画家の絵ばかりを出せば、その画家は3位に落ちるかもしれません。3位の絵は10でしか売れず、29で買った絵は19の損になります。持ち金には限りがあり、ほかのプレイヤーも自分の絵の値段を上げようとしています。同レビューは、競りに勝った1分後に大きな間違いに気づく場面が何度も起きると書いています。
負けていても、まだ分からない
失敗しても後から取り返せる点も、同レビューは評価しています。第1ラウンドでの損は小さく、第4ラウンドにはダブルで2枚の絵を売って169を稼ぐこともあります。所持金は衝立で隠れているため、負けていても自分ではそうとはっきり分かりません。
秘密競りでは、公開した値が4、33、30、48とばらばらになることもあったそうです。同レビューは、何度遊んでも同じ展開にならない理由として、「ラウンドを終わらせてはいけない。絵を売って得るお金のほうが大きい」のような定石を誰かが信じた時点で、ほかの人の動きが変わる点を挙げています。
現代アートの絵柄が会話を生む
以前の版「Master's Gallery」は有名な絵画を使っていました。CMON 版では実在する5人の画家の作品に変わり、Shut Up & Sit Down は好き嫌いが分かれる絵だからこそ全員が何か言いたくなると書いています。説明書の巻末には、画家たちの紹介も載っています。
気になる点
Shut Up & Sit Down は、頭の中で数字と利幅を計算するのが苦手な人には、このゲームが不快になりうると書いています。判断がすべて周りに見える場で行われるため、間違えた人が笑われることも多く、それで嫌な思いをする人もいるだろうという指摘です。
各版の違いを比較した Solitaire Masters は、CMON 版について次の点を挙げています。ボードは絵と点数の欄が混ざっていて、状況がひと目で読みにくいそうです。お金のトークンはどれも同じ大きさで、違うのは色だけです。また、大きなボードやカード、衝立を並べるため小さなテーブルでは窮屈になり、持ち運びにも向きません。CMON 版の説明書には誤りがあるという指摘もあります。
モダンアートはこんな人におすすめ
向いているのは、3人以上で集まり、値付けの読み合いや競りでの掛け合いを楽しみたいグループです。Shut Up & Sit Down は、同じクニツィア作の競りゲーム『ラー』と比べて、モダンアートのほうが頭を使う競りゲームだと書いています。
当店では、同じクニツィア作の協力ダイスゲーム『Mmm!』のレビューも公開しています。相手の手を読む心理戦が好きなら、『ボトルインプ』の記事もあわせてご覧ください。
モダンアートの輸入版で遊ぶときの注意
当店の商品は英語版で、日本語の説明書は付いていません。カードに書かれているのは絵と競りの形式を表す記号で、遊ぶときに読むのは主に数字です。最初に英語の説明書でルールを把握すれば、遊んでいる最中に英語を読む場面は多くありません。なお、日本語版が出ているかどうかは、今回確認した出典からは分かりませんでした。
覚えるのに少し苦労するのは、5種類ある競りの区別です。My Board Game Guides も、説明で一番時間がかかるのは競りの種類を覚えるところだと書いています。
よくある質問
何人で遊べますか?
Shut Up & Sit Down は3〜5人としています。当店の商品ページでは2〜5人と表記しています。各版を比較した Solitaire Masters は、4〜5人で遊ぶのが一番良いとしています。
1回にどのくらい時間がかかりますか?
目安は45〜60分です。ゲームは4ラウンドで終了します。
ルールは難しいですか?
手番で行うのは絵を1枚出して競りにかけることだけです。My Board Game Guides は15分の説明で遊び始められたとしています。覚えるのに時間がかかるのは、5種類の競りの区別です。
英語が読めなくても遊べますか?
遊んでいる最中に確認するのは主に数字とカードの記号です。ただし日本語の説明書は付かないため、最初に英語の説明書でルールを確かめる必要があります。
商品情報
価格は 6,590 円です。CMON による英語版の新品未開封品で、当店では並行輸入正規品として取り扱っています。日本語の説明書は付属しません。
モダンアートの商品ページ
通販ページで商品を確認する参考情報
- Shut Up & Sit Down「Review: Modern Art」(2017年9月): https://www.shutupandsitdown.com/review-modern-art/
- My Board Game Guides「Modern Art」: https://www.myboardgameguides.com/guides/profiles/modern-art/
- Skeleton Code Machine「5 types of auction you need to know」: https://www.skeletoncodemachine.com/p/types-of-auctions
- Solitaire Masters「Modern Art – Comparing the CMON and Oink Editions」: https://www.solitaire-masters.com/blog/modern-art-comparing-the-cmon-and-oink-editions/
- CMON 公式の紹介動画「Modern Art Teaser」: https://www.youtube.com/watch?v=6Aia-A6sDyI
- プレイ人数は出典によって表記が分かれます(Shut Up & Sit Down は3〜5人、当店の商品ページは2〜5人)。出版社の表記は今回確認できませんでした。