西部開拓時代にゾンビが蘇る――。
そんな斬新な設定で話題の「Zombicide: Undead or Alive」は、人気シリーズの最新作です。

従来の枠を超えた戦略性と緊張感を提供する本作。
この記事では、実際のプレイ体験とレビュー評価をもとに、その魅力と注意点を詳しく解説します。

読み終えれば、あなたもこの過酷な西部の世界で生き抜く準備ができるでしょう。

ゲームの基本情報

西部開拓時代の生存者となり、チームワークで死者に立ち向かう協力型サバイバルゲームです。

• プレイ人数： 1-6人（推奨：3人）
• プレイ時間： 約60分（実際は90-180分程度）
• 対象年齢： 14歳以上
• 複雑さ： 2.42/5（中程度）

プレイヤーは生存者となり、ミッション目標の達成を目指します。
核となるメカニクスは、「ターン制アクション管理」と「AI駆動のゾンビ制御システム」です。

各キャラクターは1ターンに3アクションを実行可能。
移動・攻撃・探索・騒音発生などを組み合わせ、戦略を練ります。

重要なのは、プレイヤーの行動が騒音を生み、ゾンビを引き寄せるという連鎖反応です。
協力型でありながら、「一人でも脱落すれば全員敗北」という、緊張感あふれるルールとなっています。

Zombicide: Undead or Aliveの魅力

西部劇のテーマを見事に融合させ、クラス制や環境要素で戦略性を高めた点が本作の大きな特徴です。

西部劇テーマの完璧な融合

「西部劇とゾンビの組み合わせが自然で、暴力的な時代背景にアンデッドが登場することに違和感がない」。
Player Eliminationのレビューにあるように、テーマの実現度は本作最大の魅力です。

フライパンなどの初期装備から、ガトリング銃やダイナマイトといった強力な武器へ。
その成長過程は、まさに映画さながらの体験です。

実際のプレイシーンも臨場感抜群。
バルコニーからの狙撃や、蒸気機関車での脱出など、名場面を彷彿とさせる瞬間が生まれます。

「一度に13体のゾンビと巨大なアボミネーションがダイナマイトで爆発する光景は、トロイの木馬サイズのピニャータのように壮大で暴力的だった」

このような体験談も報告されており、派手で爽快な展開が期待できます。

戦略性を高める4つのキャラクタークラス

本作では初めて「キャラクタークラスシステム」が導入され、戦術的深度が向上しました。

• ガンスリンガー： 「ファニング」で一度に6発の弾丸を発射
• フェイスフル（信者）： 「ヴァーデ・レトロ」でゾンビを足止め
• ブロウラー（格闘家）： 移動と攻撃を同時に行う突撃
• タウンズフォーク（町民）： 建物内での複数回探索が可能

Nerdlyのレビューでも、「これらのクラス能力は単なる装飾ではなく、成功に絶対不可欠な要素」と強調されています。
各クラスの特性を理解し、効果的に組み合わせることが勝利の鍵。
チームワークによるシナジーは、シリーズに新たな戦略性をもたらしました。

革新的な環境要素と動的システム

本作の真骨頂とも言えるのが「列車システム」です。
蒸気機関車がマップ上を移動し、ゾンビを轢き殺しながら、プレイヤーの脱出手段や足場として機能します。

「列車が登場する創発的なタワーディフェンス要素は素晴らしい」と評されており、時間制限のある目標達成に緊張感を与えます。

また、建物内の「死体の山」にも注意が必要です。
ここに入ると新たなゾンビが出現しますが、フェイスフルの「聖水」で除去が可能。
探索と危険管理のバランスが問われます。

バルコニーからの射撃や移動式ワゴンなど、環境要素が戦術の幅を大きく広げています。

簡素化されたルールと改良されたゲーム進行

「ルールが整理され、セットアップが簡素化されている」とBGGコミュニティで評価されています。

従来シリーズの複雑な要素を削ぎ落とし、スムーズな体験を実現。
ドアシステムの撤廃、騒音トークンの統一化、建物探索の簡略化などにより、プレイの快適性が向上しました。

戦略的思考により多くの時間を割けるようになり、「軽快なシステムでありながら、一手の間違いが破滅につながる戦術的緊張感」を生み出しています。

気になる点と対策

非常に高い難易度や想定以上のプレイ時間など、事前に知っておくべき注意点とその対処法を解説します。

極めて高い難易度とその対処法

「これまでプレイした中で最も困難な協力ゲームで、勝率は50%以下」との報告があるほど、難易度は高めです。
体力わずか2-3ポイントの中、「簡単」なシナリオでも複数回の挑戦が必要になることがあります。

【対策】

• キャラクター同士の連携を徹底し、常にペアで行動する。
• フェイスフルの足止めとガンスリンガーの掃討を組み合わせる。
• 「聖水」を使って出現地点を適切に管理する。

実際のプレイ時間の長さ

マニュアルには60分とありますが、「実際は3倍程度の時間がかかる」との指摘があります。
特に初回プレイや複雑なシナリオでは、2-3時間を要する場合も。

【対策】

• 初心者は少数のキャラクターから始め、慣れてから6体フルセットで遊ぶ。
• ゾンビのミニチュアを種類別に分けておき、セットアップと片付けを効率化する。

反復要素による飽きやすさ

移動と射撃の繰り返しにより、長時間プレイでは「メカニクスの多様性不足」を感じる可能性があります。

【対策】

• バラエティに富んだシナリオを順番にプレイする。
• 列車やガトリング銃などの特殊要素があるミッションを選ぶ。
• 異なるキャラクター構成や拡張セットで変化をつける。

こんな人・シーンにおすすめ

戦略的な協力プレイを求めるゲーマーから、テーマ重視のファンまで幅広く楽しめます。

• 協力ゲーム愛好者と戦略好きなゲーマー
  チームワークと戦術が重要です。
  高難易度を好む経験豊富なゲーマーには、「思考力が試される究極のミニチュアゲーム」となるでしょう。
• 西部劇ファンとテーマ重視のプレイヤー
  「ボードゲームでは稀少な西部劇テーマ」です。
  ガンスリンガーの早撃ちや列車での逃走劇など、映画のような体験を求める方に最適です。
• 家族ゲームとしての活用
  改良されたルールにより、シリーズ入門作としても機能します。
  親子や兄弟で力を合わせる体験は、絆を深める良い時間になります。
• ミニチュアゲーム初心者
  高品質なコンポーネントと、88体の美しいミニチュアが魅力。
  ペイントも楽しめ、ホビーとゲームの両方を満喫できます。

「Zombicide: Undead or Alive」は、確立されたフォーミュラを西部劇という魅力的なテーマで再構築した成功作です。

革新的とは言えないまでも、高品質なコンポーネントと改良されたルール。
そして、類を見ない「西部劇×ゾンビ」という組み合わせにより、幅広い層が楽しめる作品となっています。

高難易度がもたらす緊張感と達成感、仲間との協力による絆。
これらを求める方には、間違いなくお勧めできる一作です。

ただし、プレイ時間の長さと反復要素については、事前の心構えが必要でしょう。
西部の荒野で、あなたも生き残りをかけた戦いに挑戦してみませんか？