『コール・トゥ・アドベンチャー:エピック・オリジンズ(Call to Adventure: Epic Origins)』は、Brotherwise Games が2022年に発売したカードゲームです。プレイヤーは1人の英雄の生い立ちから最後の運命までを、カードを並べて組み立てます。カードに書かれた経歴や試練の名前が左から右へとつながり、ゲームが終わるころには1本の物語として読めるようになります。
初代『Call to Adventure』と比べると、遊び方の中心が変わりました。全員で1体の敵対者(Adversary)に立ち向かう半協力ルールになり、エルフやドワーフといった種族を表すヘリテージカードと、12種類のクラスカードが加わっています。これ単体で遊べる独立したセットですが、初代と混ぜて遊ぶこともできます。
手番での判断は軽やかで、深く先読みをするタイプのゲームではありません。そのかわり、お互いの英雄の経歴を語り合える卓では、勝ち負けとは違った楽しさを味わえます。RPG のキャラクター作りが好きな人や、ソロで遊べるファンタジーのカードゲームを探している人に向いています。
コール・トゥ・アドベンチャー:エピック・オリジンズの基本情報
| ゲーム名 | Call to Adventure: Epic Origins(コール・トゥ・アドベンチャー:エピック・オリジンズ) |
|---|---|
| 人数 | 1〜4人 |
| 時間 | 30〜60分 |
| 対象年齢 | 13歳以上 |
| デザイナー | Johnny O'Neal、Chris O'Neal |
| 出版社 | Brotherwise Games(2022年) |
| 内容物 | カード合計121枚、カスタムアクリルルーン24個、敵対者カード11枚など |
| 言語依存 | あり(カードに英語の効果文が書かれています) |
| 日本語版 | 今回確認した出典からは分かりませんでした |
エピック・オリジンズのルールと遊び方
英雄の出発点を選ぶ
各プレイヤーにはヘリテージ(種族)を1枚と、オリジン(出自)、クラス(職業)、デスティニー(運命)をそれぞれ2枚ずつ配ります。ヘリテージはそのまま使い、残りの3種類は手元の2枚から1枚ずつ選びます。デスティニーは裏向きのまま手元に置き、ゲームの終わりまで他の人には見せません。最後に、非公開の手札としてヒーローカードを1枚、経験値トークンを3個受け取ります。
場には第1幕のカードを並べます。プレイヤーが1〜3人なら4枚、4人なら5枚です。敵対者と戦うルールでは、敵対者カードの上にプレイヤー1人あたり5個の経験値トークンを置きます。ルールブックでは、最初の数回はキャンペーン用の封筒を開けて第1章から始めるよう勧めています。
手番ではカードを1枚、物語に加える
手番中に自分の物語へカードを加えられるのは1回だけです。条件を満たしていればトレイト(特性)カードを取れます。もう一つの方法は、チャレンジ(試練)カードに挑むことです。手番の初めには経験値を支払って場のカードを入れ替えられるほか、能力やフィートカードは手番中に何度でも使えます。
チャレンジでは、ダイスの代わりにルーンを振ります。基本のルーン3個に加えて、自分の物語に集めた能力アイコンに応じたルーンも追加で振れます。カードの難度以上の成功が出れば、そのカードを獲得して自分の物語に差し込みます。Zatu Games のレビューでは、ルーンは実質的に2面ダイスのようなものだと説明されています。集めたアイコンが多いほど振れるルーンが増え、より難しいチャレンジに挑めるようになります。
敵対者との2度の戦いと勝利条件
オリジンの段にカードを3枚加えると、次はクラスの段へ進みます。The Opinionated Gamers のレビューによると、誰かがクラスの段に3枚目を加えた次の手番で、敵対者の「右腕」との戦いが始まります。デスティニーの段に3枚目を加えた次の手番には、敵対者本人との最終戦です。
最終戦が終わった時点で敵対者に経験値トークンが残っていれば、全員の負けです。倒せていれば、デスティニーの点数が最も高いプレイヤーが勝ちます。点数は、英雄的な行いで得るトライアンフ、暗い道で得るトラジェディ、手元の経験値の合計です。敵対者を使わず、点数だけを競い合う遊び方もルールブックに載っています。
エピック・オリジンズの面白さと評価
カードの名前をつなぐと経歴になる
Zatu Games のレビューでは、1回のゲームでできあがった英雄の経歴を紹介しています。高貴な生まれの芸術家として、大魔導師の手伝いをし、聖騎士として鍛えられ、遠征中に捕らわれて脱出、のちに学者を経て騎士団の長になる、という筋書きです。レビュアーは、この物語がすべてカードに書かれた文言そのままだと述べています。カード同士にあらかじめ決められたつながりはないのに、並べていくうちに自然な経歴に見えてくる点を、このレビューでは一番の魅力に挙げました。
また同じレビューでは、物語の展開を優先して効率の悪い手を選ぶことがよくある、とも書かれています。説明書でも、ゲーム終了時にそれぞれの物語を語り合うことが勧められています。Geeks Under Grace のレビューでも、勝負に負けても全員の英雄の物語を聞くだけで楽しい、と語られています。
ソロと新しい要素への評価
The Opinionated Gamers のレビュアーは本作を6回プレイし、そのうち4回がソロでした。良かった点として挙げたのは、クラスカードの追加、大きく改善されたルールブック、初代よりすっきり整理されたソロのルール、他のセットと混ぜて遊べる拡張性です。シリーズ作品をまだ持っていない人には、本作が最初の1つに向いているとしています。また、1人で遊べる RPG キャラクター作成のボードゲームとしては『Roll Player』が一番だと考えていたものの、本作はそのライバルになった、とも書いています。
Geeks Under Grace のレビューでは、10点満点で8.5点が付けられました。初代の水彩画のような絵に比べ、本作のアートワークはくっきりと色鮮やかになったと評価しています。初めて遊ぶ人の入り口になるだけでなく、これまでシリーズを遊んできたファンにとっても、キャンペーンや新しいヘリテージカードという楽しみがある作品だとしています。このレビューは出版社から提供された品で書かれています。
気になる点
Zatu Games のレビューでは、手軽さがそのまま弱点にもなり得ると指摘されています。手番でする主な行動はカードを選んでルーンを振ることであり、先を読んで深く計画を立てるゲームを求める人には物足りないという意見です。敵対者についても、倒すべき大きな脅威というより邪魔をする程度で手応えに欠けることがあり、倒すのに必要なルーンが敵対者ごとに2種類に固定されているため、他のルーンを集める意味が薄れてしまうとしています。
経験値トークンが厚紙製に変更された点については、Geeks Under Grace と The Opinionated Gamers の双方が惜しい点として挙げています。初代ではプラスチック製のトークンが使われていました。また Geeks Under Grace は、キャンペーンが短めで、順調に進めば6ゲームですべての要素が解放されてしまう点にも触れています。
絵柄については、Geeks Under Grace が、一部の敵対者カードは小さな子どもには怖く見えるかもしれず、血が描かれたカードが数枚あると注意を促しています。
エピック・オリジンズはこんな人におすすめ
向いているのは、キャラクターの経歴を考えるのが好きな人や、遊び終えた後にそれぞれの英雄の話をして盛り上がれる卓です。ソロのルールの評価も高いため、1人で遊ぶ時間が多い人にも合います。反対に、手番ごとにじっくり考える重いゲームを好むグループには、軽すぎると感じられるかもしれません。
当店では、ファンタジーの協力ゲームとして『AEONS END THE VOID』(協力型デッキ構築ゲーム)や、『ダークソウル トゥーム・オブ・ジャイアンツ』(協力型ダンジョンクローラー)のレビューも公開しています。
エピック・オリジンズの輸入版で遊ぶときの注意
当店の商品は英語版のため、カードも説明書もすべて英語です。カードには「これを獲得したとき、条件を満たしていれば〜を得る」といった効果文が書かれているため、遊んでいる最中にも英語を読む場面があります。はじめのうちは英語に慣れた人が1人いるとスムーズに進められます。日本語版が出ているかどうかは、今回確認した出典からは分かりませんでした。
ルールブックは Brotherwise Games が PDF で公開しており、購入前に中身を確かめられます。ルールブックには、動画でルールを説明するページ(BrotherwiseGames.com/epic-origins-rules)への案内も載っています。また出版社の製品説明によると、完成した英雄を世界で最も遊ばれている TRPG(第5版)のキャラクターに変換する手引きも同梱されています。
よくある質問
何人で遊べますか?
1〜4人です。1人で遊ぶソロのルールもあり、The Opinionated Gamers は初代よりすっきり整理されたと評価しています。
1回にどのくらい時間がかかりますか?
目安は30〜60分です。The Opinionated Gamers は1人あたり15〜20分ほどとしています。
初代のコール・トゥ・アドベンチャーを持っていなくても遊べますか?
これ単体で遊べる独立したセットです。初代と混ぜて遊ぶこともでき、The Opinionated Gamers はシリーズを持っていない人に最初の1つとして勧めています。
英語が読めなくても遊べますか?
カードに英語の効果文があるため、遊んでいる最中にも英語を読む場面があります。英語に慣れた人が1人いると進めやすくなります。
商品情報
価格は 8,630 円です。Brotherwise Games による英語版の新品未開封品で、当店では並行輸入正規品として取り扱っています。日本語版ではなく、英語原文のカードで遊ぶ仕様です。
コール・トゥ・アドベンチャー:エピック・オリジンズの商品ページ
通販ページで商品を確認する参考情報
- Geeks Under Grace「Review – Call to Adventure: Epic Origins」(2024年1月): https://www.geeksundergrace.com/tabletop/review-call-to-adventure-epic-origins/
- The Opinionated Gamers「Tale As Old As Time: A Review of Call to Adventure: Epic Origins」(2022年11月): https://opinionatedgamers.com/2022/11/02/tale-as-old-as-time-a-review-of-call-to-adventure-epic-origins/
- Zatu Games「Call To Adventure: Epic Origins Review」(2025年4月): https://www.board-game.co.uk/call-to-adventure-epic-origins-review/
- Brotherwise Games 公式ルールブック(PDF): https://brotherwise-test-site.squarespace.com/s/CtA_EO_Rulebook-pzf3.pdf
- キャンペーンの規模は出典によって書き方が分かれます(The Opinionated Gamers は封筒7つ、Geeks Under Grace は6ゲームで全要素が開くと記載)。