『フラックス(Fluxx)』は、遊んでいる最中にルールと勝利条件が書き換わっていくカードゲームです。最初のルールは「1枚引いて、1枚出す」の2つだけ。そこへ新ルールのカードが出るたびに引く枚数や出す枚数が変わり、ゴールのカードが差し替わると、勝つために集めるカードまで入れ替わります。
出版社の Looney Labs は、世界平和を達成しかけたところで、誰かがゴールを「パンとチョコレート」に変えてしまう場面を例に挙げています。今回扱うのは、カードの種類を定番の4種類に絞った第5版(Fluxx 5.0)です。
ルール説明に時間をかけられない集まりや、毎回同じ展開に飽きてしまったグループには向いています。運に左右されるゲームなので、計画どおりに勝ち切りたい人には合わないことがあります。
フラックスの基本情報
| ゲーム名 | Fluxx 5.0(フラックス5.0) |
|---|---|
| 人数 | 2〜6人 |
| 時間 | 5〜30分 |
| 対象年齢 | 8歳以上 |
| デザイナー | Andrew Looney |
| 出版社 | Looney Labs |
| カードの種類 | 新ルール、アクション、キーパー、ゴールの4種類 |
| 言語依存 | 高い。どのカードにも英語の指示文が書かれています |
| 日本語版 | Wikipedia には日本語版の出版社としてホビージャパンが挙がっています。現在の入手状況は、今回調べた出典では確認できませんでした |
Wikipedia によると、フラックスは1996年7月24日に Andrew Looney が考案し、1997年に5,000部で発売されました。2011年5月までに、全バージョン合わせて100万デッキ以上が売れています。第5版が出回り始めたのは2014年です。デッキの枚数は初期の版が84枚で、近年の標準的なデッキは100枚です。
フラックスのルールと遊び方
以下は、出版社が公開している第5版のルールシートをもとにまとめたものです。
準備は1分、手札3枚から始める
テーブルの中央に「基本ルール」のカードを置き、残りのカードを切って各プレイヤーに3枚ずつ配ります。残りは裏向きの山札にします。最初の手番は配った人か、ランダムに決めた人で、時計回りに進みます。Wikipedia では準備にかかる時間を1分としています。
手番は「引く、出す、捨てる」の3段階
手番では、現在のルールで決められた枚数を引き、決められた枚数を出し、上限のルールがあればそれに合わせてカードを捨てます。出せないカードはなく、効果がなくても出すことはできます。最初は1枚引いて1枚出すだけです。
カードは4種類あります。
- 新ルール:出した瞬間から適用されます。古いルールと食い違えば古いほうを捨てます。基本ルールを上書きするものは、基本ルールのカードに重ねて置きます。
- アクション:書かれた指示を1回だけ実行して捨てます。
- キーパー:自分の前に表向きで置いておくカードです。チョコレート、音楽、時間、クッキーといったアイテムが並びます。
- ゴール:中央に置く勝利条件で、全員で共有します。新しいゴールが出ると、前のゴールは捨てられます。
ルールシートの例では、1枚引いたあとに「3枚引く」の新ルールを出すと、その場で追加の2枚を引きます。次の人が「2枚引く」を出すと、食い違う「3枚引く」は捨てられます。
勝利条件と手札の上限
いま場に出ているゴールが求めるキーパーをそろえた人が、その瞬間に勝ちます。自分の手番でなくてもかまいません。手札やキーパーの数の上限は、自分の手番以外のときにだけ適用されます。誰かが新しい上限のルールを出したら、ほかのプレイヤーはすぐにカードを自分で選んで捨て、上限に合わせます。
手札を自由に捨てることはできません。そのため、相手を勝たせるカードを自分で出さざるをえない場面もある、とルールシートには書かれています。山札が尽きたら捨て札を切り直して続けます。途中参加は3枚配れば可能で、途中で抜けることもできます。
ルールシートには定石も1つ載っています。キーパーと、それを使うゴールが手札にあるなら、キーパーを先に出すほうがよいそうです。ゴールを先に出すと、もう1枚のキーパーを見つける前に、別のゴールに差し替えられやすいからです。
フラックスの面白さと評価
毎回ちがうゲームになる
米国の公共ラジオ局 KMUW のゲーム評者 Samuel McConnell は、フラックスを「遊ぶたびにほぼ別のゲームになる」と評しました。ゆっくり考える展開になる回もあれば、慌ただしく終わる回もあります。山札を十数回切り直した回も、2手番目で勝った回もあったそうです。
数分で教えられる
同じ評者がいちばん気に入っている点は、数分で教えられることです。ルールが場に出ていて目で確かめられるので、次に何をすればよいかが分かりやすく、パーティーでは説明の時間を遊ぶ時間に回せると書いています。The Geeky Guide to Nearly Everything のレビューも、基本のルールは短い2文で説明できるとし、ボードゲームの入門に向くゲームとして5点満点を付けています。
手札をどう使い切るか
同じレビューは、戦略の中心を「いまある手札をどう生かすか」に置いています。出せる枚数が限られた手札で、すばやく計画を組み直すことが求められるゲームだという評価です。
フラックスの気になる点
運の要素は大きめです。Wikipedia は運の度合いを「高い」とし、The Geeky Guide to Nearly Everything も、勝敗がほとんど偶然のように感じられることがあると書いています。
長引く回もあります。同じレビューは、手札の上限を0にするルールや「手札を全部出す」ルールが出ると、ゲームがかなり長引くと指摘しています。毎手番すべてのカードを出し続けるのは疲れる、とも書いています。ただし、このレビューが扱っているデッキにはクリーパーのカードが入っていて、クリーパーを外した第5版とは中身が少し違います。
手札を自由に捨てられないため、相手を勝たせるカードを自分で出さざるをえない展開も起こりえます。計画どおりに勝ち切りたい人には、ここが不満になるかもしれません。
フラックスはこんな人におすすめ
短い時間でルールを覚えて、すぐ遊び始めたい集まりに向いています。人数は2〜6人で、途中から加わることも途中で抜けることもできるので、人の出入りがある場でも続けられます。8歳以上が対象なので、家族で遊ぶこともできます。
ルールが変わる仕組みが気に入ったら、同じシリーズで四則演算を使う『マス・フラックス』のレビュー記事もあります。出版社によると、第5版で外れたクリーパーは別売りの拡張「Creeper Pack」で足すことができ、自分で書き込む白紙のカード「Fluxx Blanxx」なども出ています。
フラックスの輸入版で遊ぶときの注意
当店で扱うのは英語版で、日本語説明書は付きません。フラックスはカードに書かれた指示どおりに遊ぶゲームなので、新ルールやアクションの文面を読めることが前提になります。ルールシートも、カードの働きが分からなければ全文を声に出して読むよう勧めています。英語を読める人が1人いれば、出したカードを読み上げながら進めることができます。
英語のルールは、出版社のサイトで PDF が公開されています。カードの細かい扱いは、出版社の FAQ のデータベースで調べられます。1人用の遊び方「Solo Fluxx」のルールも、出版社のサイトからダウンロードできます。
よくある質問
フラックスは何人で遊べますか?
2〜6人です。1回は5〜30分で、対象年齢は8歳以上です。
英語が苦手でも遊べますか?
英語版で、日本語説明書は付きません。どのカードにも英語の指示文があるので、英語を読める人が読み上げながら進めると遊べます。
勝利条件はどう決まりますか?
場に出ているゴールのカードが勝利条件です。ゴールが求めるキーパーをそろえた人が、自分の手番でなくてもその瞬間に勝ちます。
旧版とは何が違いますか?
第5版はカードを新ルール、アクション、キーパー、ゴールの4種類に絞っています。第4版で加わったクリーパーは外れ、別売りの拡張で足せます。
商品情報
価格は 3,500 円です。新品未開封の並行輸入品で、英語版です。日本語説明書は付きません。
フラックスの商品ページ
通販ページで商品を確認する参考情報
- Looney Labs「Fluxx」: https://www.looneylabs.com/games/fluxx
- Looney Labs「Fluxx 5.0 Rules」(PDF): https://www.looneylabs.com/sites/default/files/literature/Fluxx5.0Rules_0.pdf
- KMUW「Your Move: 'Fluxx' Is Rarely The Same Game Twice」: http://kmuw.org/post/your-move-fluxx-rarely-same-game-twice
- The Geeky Guide to Nearly Everything「Fluxx」: http://www.geeky-guide.com/2014/06/games-fluxx.html
- Wikipedia「Fluxx」: https://en.wikipedia.org/wiki/Fluxx