『ピロス(Pylos)』は、フランスの Gigamic が出している2人用の木製アブストラクトゲームです。4×4の窪みがある盤に白と黒の玉を交互に置いていき、ピラミッドの頂上に最後の1個を置いた人が勝ちます。ボドゲーマーの作品データによると発売は1994年で、デザイナーは David G. Royffe(デビッド・ロイフェ)です。
ルールは数分で覚えられます。それでも、手元の玉を1個でも多く残すための読み合いがあり、運の要素はありません。何度か遊ぶうちに面白さが出てくるという声がある一方で、海外には「慣れると手順どおりに進むだけ」と厳しく評価するレビューもあります。
短い時間で決着する1対1の頭脳戦を探していて、木の駒の手触りや見た目も楽しみたい人に向いています。ただし、ゲームに深い展開を求める経験者は、下の「気になる点」も読んでから選んでください。
ピロスの基本情報
| ゲーム名 | Pylos(ピロス) |
|---|---|
| 人数 | 2人専用 |
| 時間 | 10〜20分(出版社の表記は15分) |
| 対象年齢 | 8歳以上 |
| デザイナー | David G. Royffe |
| 出版社 | Gigamic(ギガミック) |
| 内容物 | 木製ボード1個、木製ボール30個(2色)、説明書 |
| 言語依存 | なし(遊ぶときに読む文字は盤にも玉にもありません) |
| 日本語版 | 今回確認した出典からは分かりませんでした |
ピロスのルールと遊び方
玉を1個置くか、1段上へ移すか
2人はそれぞれ15個の玉を持ちます。The Abstract Rat のレビューによると、これはピラミッドを完成させるのに必要な30個のちょうど半分です。玉は盤の4×4の窪みに置き、4個が2×2の四角に並ぶと、その上にも玉を置けるようになります。最後は4×4、3×3、2×2、1個の計4段のピラミッドができあがり、頂上に置いた人が勝ちます。
ただ交互に置くだけなら、常に後手が勝ってしまいます。そこで手元の玉を節約するためのルールが2つあります。1つは、手元から玉を出す代わりに、盤上にある自分の玉を1段以上上へ移せるというものです。動かせるのは、上に何も乗っていない玉だけです。
自分の色で四角を作ると玉が戻る
もう1つは、同じ段に自分の色だけで2×2の四角を作ったときのルールです。盤上にある自分の玉のうち、上に何も乗っていないものを1個か2個、手元に戻せます。ボドゲーマーに投稿された szk さんのレビューでは、1個は必ず戻し、もう1個を戻すかどうかは選べると説明されています。
手番ではパスができません。持ち玉がなくなった人は、その時点で負けになります。つまり頂上を争う前に、相手の玉を先に使い切らせる攻防が続きます。
ピロスの面白さと評価
上に1個乗せるだけで下の4個が動かせなくなる
The Abstract Rat は、このゲームをとても気に入ったと書いています。面白さとして挙げているのは、上の段に玉が1個乗ると、その下の4個がもう動かせず、手元にも戻せなくなるという点です。序盤は相手に四角を作らせないよう防ぎつつ、相手が上の段へ玉を移せる形を作らないように玉を置き合います。T字形に並べて2か所を同時に狙う形や、相手の移動を誘い、自分が動かしてほしい玉を相手に動かさせる罠もあると紹介しています。
何度か遊ぶと読み合いが見えてくる
ボドゲーマーには8件のレビューがあります。「1回目は何となく終わってしまったが、数回繰り返すうちに読み合いに夢中になった」という声や、遊ぶほど新しい面白さが見つかる「スルメのようなゲーム」という声があります。5歳の子どもでも分かるルールなのに、大人もしっかり考える必要があり、終盤の逆転も起こるという感想もありました。
ボドゲーマーで遊んだ人がプレイ感を投票した結果は「戦略・判断力」が30票、「運・確率」が0票です。点数の分布は64人中、6点が23人で最も多く、7点が15人でした。出版社の Gigamic は、世界各地で複数の「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞したと説明しています。
ピロスの気になる点
GamingTrend の Mark Julian は、100点満点で55点とはっきりと低い評価を付けています。理由は、ルールを理解した2人なら四角を作る機会をほぼ毎回防げてしまい、三目並べのように決まった手順どおりに進むと感じたためです。同じ Gigamic の『Quarto(クアルト)』は駒の種類が多くて見落としが起きるため成功しているが、ピロスは白と黒の玉だけで隠された要素が何もない、と比較しています。なお、このレビューで使ったのは出版社から提供された品です。
道具の作りについても指摘があります。GamingTrend によると、盤のふちにある溝にすべての玉が収まりきらず、少し触れただけで転がり出てしまったそうです。最初のゲームで玉を1個なくしたとも書いています。The Abstract Rat も、組んだまま置いておくと玉が床に落ちてしまうと触れています。
ピロスはこんな人におすすめ
向いているのは、短い時間で何回も対戦したい2人です。ボドゲーマーには5歳の子どもと遊んだレビューもあり、親子の対戦にも使えます。出版社の Gigamic も、ゲームとしてだけでなく飾りとしての魅力を挙げています。反対に、毎回まったく違う展開が生まれるゲームを求める人は、GamingTrend のレビューのように物足りなさを感じる可能性があります。
当店では、石を重ねて動かす2人用の戦略ゲーム『Qawale(カワレ)』や、2人用カードゲームの『フンギ(Fungi)』のレビューも公開しています。
ピロスの輸入版で遊ぶときの注意
盤と玉には文字が書かれていないので、ルールさえ分かれば言葉の壁はありません。説明書は多言語版ですが、当店の商品情報では日本語の説明書は付かないとしています。GamingTrend は箱の裏の図を見るだけでルールが分かると書いており、この記事のルールの節を読んでから遊び始めることもできます。
買う前に遊び方を確かめたい場合は、オンラインのボードゲームサイト Board Game Arena でもピロスを遊べます。Gigamic の英語サイトでは、教育向けの解説シートを PDF で公開しています。当店の商品情報には、上級者向けのアドバンスドルールも用意されていると書かれています。
よくある質問
何人で遊べますか?
2人専用です。3人以上では遊べません。
1回にどのくらい時間がかかりますか?
目安は10〜20分です。出版社の Gigamic は15分、ボドゲーマーの作品データは10分前後としています。
子どもでも遊べますか?
対象年齢は8歳以上です。ボドゲーマーには、5歳の子どもでもルールを理解できたというレビューもあります。
英語が読めなくても遊べますか?
盤と玉に文字はなく、遊んでいる最中に英語を読む場面はありません。説明書に日本語は付かないので、ルールはこの記事などで確認してから始めてください。
商品情報
価格は 5,320 円です。欧米の正規販売店から買い付けた新品未開封の並行輸入正規品で、セット内容は木製ボード1個、木製ボール30個(2色)、説明書(多言語版)です。
ピロス(Pylos)の商品ページ
通販ページで商品を確認する参考情報
- Gigamic 公式「Pylos」: https://en.gigamic.com/modern-classics/106-pylos.html
- ボドゲーマー「ピロス」: https://bodoge.hoobby.net/games/pylos
- ボドゲーマー szk さんのレビュー: https://bodoge.hoobby.net/games/pylos/reviews/18988
- The Abstract Rat「Pylos」: https://www.theabstractrat.com/reviews/pylos
- GamingTrend「Pylos review — A Tic-Tac-no」(2024年2月): https://gamingtrend.com/reviews/pylos-review-a-tic-tac-no/
- Board Game Arena「Pylos」: https://en.boardgamearena.com/gamepanel?game=pylos
- プレイ時間は出典によって書き方が分かれます(Gigamic は15分、ボドゲーマーは10分前後、当店の商品情報は約10〜20分)。