『リネイチャー・バレー(Renature: Valley)』は、ドミノ型のタイルで谷の生態系を取り戻すボードゲーム『リネイチャー(Renature)』の拡張セットです。ゲームデザインは基本セットと同じミヒャエル・キースリング(Michael Kiesling)とヴォルフガング・クラマー(Wolfgang Kramer)で、2〜4人、45〜60分で遊べます。箱の中身は、両面ゲームボード1枚、キノコトークン8個、雲トークン2個です。
基本セットでは、小川に沿ってドミノを置き、周りのエリアに植物を植えて、エリアが閉じるたびに得点を競います。バレーでは盤面が差し替わり、切り株のマスをドミノで覆うとキノコが手に入ります。キノコはエリアのマスとして置かれ、離れていた2つのエリアを1つにつなぎます。自分の植物が多いエリアに、相手がキノコで別のエリアを継ぎ足してくることもあります。出版社は、キノコによってほかのプレイヤーにエリアを奪われることもあると説明しています。
基本セットを持っていて、陣取りの読み合いをもう一段深く楽しみたい卓に向いた拡張です。逆に、基本セットを持っていない方はこれ単体では遊べません。相手の邪魔をし合う展開が苦手な方にも合いにくいでしょう。
リネイチャー・バレーの基本情報
| ゲーム名 | Renature: Valley(リネイチャー・バレー) |
|---|---|
| 種類 | 『Renature(リネイチャー)』の拡張。遊ぶには基本セットが必要です |
| 人数 | 2〜4人 |
| 時間 | 45〜60分 |
| 対象年齢 | 12歳以上 |
| デザイナー | ミヒャエル・キースリング(Michael Kiesling)、ヴォルフガング・クラマー(Wolfgang Kramer) |
| アートワーク | デニス・ローハウゼン(Dennis Lohausen) |
| 出版社 | Capstone Games、Deep Print Games |
| 内容物 | 両面ゲームボード1枚、キノコトークン8個、雲トークン2個 |
| 言語 | 英語版(日本語は含まれません) |
バレーで使うのは、拡張のゲームボードと、基本セットからエリアタイル21枚とゲームボードを除いたすべてのコンポーネントです。ドミノ、植物、雲トークン、ジョーカーマーカーなどは基本セットのものをそのまま使います。
リネイチャー・バレーのルールと遊び方
以下は、オンライン対戦サイト Yucata に掲載された英語のルールをもとにまとめたものです。手番の基本的な流れは基本セットと同じで、異なる点だけを拡張のルールで定めています。
手番の流れ(基本セットと共通)
各プレイヤーは自分のドミノの山から3枚を手札として持ちます。ドミノには動物が2匹ずつ描かれており、全部で10種類あります。手番では手札のドミノを1枚選んで盤面に置きます。置くときは、どちらかの動物を4か所のスタートマスに置くか、同じ種類の動物の隣に置かなければなりません。「ジョーカー動物」に指定された動物だけは、どの動物の隣にも置けます。ゲーム開始時のジョーカー動物は蝶です。置けないときや置きたくないときは、ドミノを1枚捨てます。
ドミノを置いたら、そのドミノに隣接するエリアのマスに植物を1つ植えられます。植物は芝(価値1)、低木(価値2)、松(価値3)、樫(価値4)の4種類で、自分の色か中立の色のものを個人ボードから選びます。植えた植物自体で1点、さらに同じエリアにある価値が同じかそれ以下の植物1つにつき1点が入ります。最後に山からドミノを1枚補充して手番を終えます。
雲トークンで使える行動
手番中は、雲トークンを支払って3種類の行動ができます。2枚でジョーカー動物を好きな動物に変える、3枚で手番の終わりにもう1手番行う、植物の価値と同じ枚数を払って自分の色か中立の植物を盤面から個人ボードへ戻す、の3つです。使わずに残した雲トークンは、ゲーム終了時に1枚につき1点になります。
バレーで変わる点
- ドミノを置くマスは、小川のマスから草地のマスに変わります。置き方のルールは変わりません。スタートマスは小さな池の絵で示されています。
- 盤面には切り株が8か所あります。切り株をドミノで覆うと、すぐにキノコトークンを1つ取れます。
- 取ったキノコは、すぐにエリアのマスに縦か横で隣接させて置きます。キノコはエリアのマス扱いとなり、植物を植えられるほか、エリア同士をつなぎます。
- 雲の描かれた草地マスにドミノを置くときは、先にその雲トークンを取って個人ボードに置きます。
- 基本セットにあった「エリアが閉じたときの途中決算」がなくなり、エリアの得点はすべてゲーム終了時にまとめて計算します。
Yucata のルールには、キノコでエリアを広げる例が載っています。オレンジのプレイヤーがキツツキ2匹のドミノで右下の切り株を覆い、受け取ったキノコを置いて2つのエリアをつなげ、盤面の右端に16マスのエリアを作ります。そこに樫を植えると、樫そのものの1点に、同じエリアにある価値4以下の植物10個分の10点が加わります。
ゲームの終了と得点計算
全員がドミノを使い切るとゲームが終わり、エリアを1つずつ決算します。エリアごとに色別に植物の価値を合計し、合計が同じ色同士はなかったものとして扱います。合計が最も大きい色はエリアのマス数と同じ点を、2番目の色はその半分(端数切り捨て)を得ます。1人だけが残ったエリアでは、その人が両方の点を得ます。中立の色は点を得ません。続けて雲トークン1枚につき1点を加え、個人ボードに残った植物の価値の合計を引きます。最も得点の高いプレイヤーの勝ちで、同点なら最も大きいエリアで多数を取っていたプレイヤーが勝ちます。
ボードの裏面を使うバリアントもあります。裏面では雲トークンをエリアのマスに置き、そのマスに植物を植えたときに雲トークンを受け取ります。それ以外は基本セットと同じ遊び方です。
リネイチャー・バレーの面白さと評価
キノコ1つで盤面の得点が組み替わる
バレーの面白さの中心は、エリアの大きさと誰が優勢かがゲームの途中で変わることです。基本セットではエリアが閉じた時点で決算されるので、一度確定した得点はもう動きません。バレーでは途中決算がなく、キノコがエリアをつなげるたびに、どのエリアで誰が多数を取っているかが塗り替わります。レビュー動画を出している Game Boy Geek も、小さなエリアをつなげて得点を伸ばす点を、基本セットとの違いとして紹介しています。
中立の植物で相手を同点にさせる駆け引き
note でバレーを紹介した NEZ さんは、中立の存在が「イヤらしい」と書いています。決算では合計が同じ色が脱落するので、中立の植物を相手の多いエリアに植えて同点にし、得点を消しにいく場面がよく出てくるそうです。雲トークンで植物を盤面から戻す行動も組み合わさり、NEZ さんは、インタラクションは強めの中量級で、ぶつかり合いが楽しいゲームだとまとめています。同じ記事では、序盤は置き場所が多くて難しく感じないものの、中盤以降に相手のエリアを囲い込んだり置き場所を邪魔したりするようになると悩ましさが上がる、とも書いています。
完成した盤面の見た目
NEZ さんは、動物の描かれたドミノが映えるゲームで、ゲームが終わった時点の盤面は思わず写真に撮りたくなると書いています。記事に付いた10段階の星評価は、ルールの複雑さ5、駆け引き7、運の要素5、おすすめ度6でした。
気になる点
まず、この商品は拡張なので、基本セットの『リネイチャー』がないと遊べません。拡張に入っているのはボードとトークンだけで、ドミノや植物は基本セットのものを使います。
次に、ゲームの展開は派手ではありません。NEZ さんは、盤面は華やかでもゲーム自体は非常に渋く、オールドユーロの佇まいすら感じると評しています。地道に多数派を積み上げる陣取りが好きな人には長所ですが、展開の起伏を求める人には物足りない可能性があります。
最後に、得点が最後まで確定しない点は、人によって負担になります。途中決算がなくなったことで、どのエリアが最後に誰のものになるかを、全員がドミノを使い切るまで読み続けることになります。出版社も、基本セットより一段ややこしくなると説明しています。なお、NEZ さん自身は基本セットを遊んだことがなく、基本セットとの比較はできないと断っています。
リネイチャー・バレーはこんな人におすすめ
『リネイチャー』を持っていて、同じメンバーで繰り返し遊んできた卓に向いています。盤面が差し替わり、決算のタイミングも変わるので、基本セットで覚えた定石がそのままでは通じにくくなります。相手のエリアに中立の植物を植えて同点を狙うような、直接のぶつかり合いを楽しめる人にも向いています。
ドミノ型のタイルを並べて領地を作るゲームでは、当店のブログに『キングドミノ』のレビュー記事もあります。
リネイチャー・バレーの輸入版で遊ぶときの注意
当店の商品は英語版で、日本語は含まれません。拡張の中身はボードとトークンで、ルールの変更点は上の「バレーで変わる点」の5項目と得点計算にまとまります。英語のルールは、オンライン対戦サイト Yucata のルールページでも、基本セットの説明に続けて読めます。
バレーの日本語版があるかどうかは、今回調べた出典では確認できませんでした。基本セットについても同様なので、基本セットを英語版で持っているか、日本語のルールが手元にあるかを確かめてから選ぶと安心です。
よくある質問
リネイチャー・バレーだけで遊べますか?
遊べません。拡張なので、基本セットの『リネイチャー』が必要です。ドミノや植物などは基本セットのものを使い、エリアタイルとゲームボードだけを使いません。
何人で、何分くらいで遊べますか?
2〜4人で、45〜60分です。対象年齢は12歳以上です。
キノコトークンはどう使いますか?
盤面にある8か所の切り株をドミノで覆うと、キノコトークンを1つ取れます。取ったキノコは、すぐにエリアのマスに縦か横で隣接させて置き、エリアのマスとして扱います。
基本セットとの一番大きな違いは何ですか?
エリアが閉じたときの途中決算がなくなり、得点はすべてゲーム終了時に計算します。キノコでエリアがつながるので、最後まで誰がどのエリアを取るかが変わります。
商品情報
価格は 6,800 円です。新品未開封の並行輸入品で、ゲーム内の言語は英語、日本語は含まれません。遊ぶには『リネイチャー』基本セットが必要です。
リネイチャー・バレーの商品ページ
通販ページで商品を確認する参考情報
- Yucata「Rules - Renature」(拡張 Valley のルールを含む): https://www.yucata.de/en/Rules/Renature
- NEZ@勝利点の高そうな獅子舞「リネイチャー:バレー / Renature: Valley」(note): https://note.com/mythology_nez/n/necfce3f50ef6
- The Game Boy Geek「Renature Valley Review」(YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=zNyewCYjQtw
出版社の表記は出典によって異なります。販売店の商品情報は Capstone Games とし、note の記事は Deep Print Games としています。Game Boy Geek の動画の説明では、両社が出版したと紹介されています。